2月6日午後6時―8時54分
2月7日午後6時―8時54分
詳しくは
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1937年4月3日、婚礼衣装に身を包んだ愛新覚羅溥傑と嵯峨浩。濱口邸の正面玄関前で
『流転の子 最後の皇女・愛新覚羅嫮生』執筆にあたっては、番組を制作された現TV朝日エグゼクティブプロデューサー五十嵐文郎氏始め、多くのご協力を頂きました。
2003年にテレビ朝日開局45周年を記念して制作された記念ドラマスペシャル「流転の王妃・最後の皇弟―戦乱の愛―真実の物語」は、二夜連続、延べ五時間半の大型テレビドラマ・芸術祭参加作品として放送されました。主演は皇帝の弟・溥傑に竹野内豊、その妻・浩に常盤貴子。
第一部、第二部ともに、25パーセントを超える視聴率を獲得し、映画やテレビドラマなどで活躍した俳優やプロデューサー、作品を表彰する「エランドール賞」に輝いた作品です。
以下は『流転の子 最後の皇女・愛新覚羅嫮生』から一部分引用します。
* * * * *
ディーゼル車が汽笛を響かせ広州に向かってひた走る。
広州駅構内。人ごみの中を人民服姿の初老の溥傑が誰かを探すように歩いている。
列車内。通路側座席には遺骨を抱いた浩の姿。窓際の座席には外の景色を眺める嫮生(市川由衣)の姿。
仙道敦子によるナレーションが始まる。
「日本と中国との間に国交が回復していない昭和三十六年。当時の首相周恩来の特別な計らいにより、はるか遠い中国の大地へと向かった一人の日本人女性と彼女を待ちわびる中国人男性がいた。二人は昭和三十六年から遡ること二十二年前の昭和十二年。日本の国を挙げての祝福を受け、国際結婚した夫婦だった。しかし、戦争が二人を引き裂き、中国と日本で別れ別れになって十六年が経っていた。そして、ようやく今……」。
広州駅の人ごみの中で振り向く浩。振り返る溥傑。父の姿を見つける嫮生。
モスクワ交響楽団(バイオリン演奏葉加瀬太郎)によるドラマのメインテーマ曲が流れる。
歩み寄る溥傑。遺骨を抱いた浩。その後ろに嫮生の姿。
物語は広州で十六年ぶりに溥傑と浩嫮生母娘が再会する場面から始まる。
(中略)
二人の出会い。日中全面戦争、満州国崩壊、流浪の日々。壮大で切なく愛惜を帯びた音楽と映像が観る者の心を大河の流れの中に誘う。日本帰国後の姉の死、父との再会、娘の遺骨を抱き締めて慟哭する溥傑―。
(中略)
竹野内の朗読が重なる。
「人の世のはかなさに気がついて過去を思えば、五十年間の夫婦生活がますます身にしみて思い出される。
あなたがあちこちと流浪して大変な苦労したのも皆私に嫁いだためだが、晩年はおかげで仲睦まじく暮らすことができた。昔、共に遊んだところに行くのも心がうずき、死んだら同じ墓に入ろうといつも誓いあっていたことをかたくおぼえている。
清らかな夜にあなたを悼み、悲しむ思いが胸にあふれ、ひとり枕に伏して涙がとめどなく流れてくる。」
(中略)
溥傑の葬儀の実写。 メインテーマ曲が流れ始める。
溥傑と浩が実際に分けて持ち合ったお守りと玉が映し出される。
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ぜひ、ご覧ください。