2010年06月13日

喜望の南・アフリカの日々

100619_01.jpg日本から余りにも遠い国、南アフリカがサッカーW杯の開催で注目を集めています。私はこの国に2001年から2004年まで暮らしていました。

 ここに来たころは、その圧倒的な自然のスケールに驚きました。南アは「地球創世期のパンゲアの核」「人類発祥の地」で、地球でもっとも古い大地なのです。車を40分も走らせば、「人類のゆりかご」と呼ばれる地帯(最古の人類が生まれたところ。石器や人骨などがまだ、多数埋まっている)があります。野生動物も多く、週末には、広大な動物保護区で馬に乗ったり、サファリをして楽しみました。

100619_02.jpgヨハネスブルクから飛び出せば、北東には世界最大の動物保護区クルーガ−国立公園、北西には赤いナミブ砂漠が広がり、南の果て喜望峰にはペンギンやアザラシが棲息し、大西洋とインド洋がぶつかる海にはクジラが悠然と潮を吹いています。そのダイナミズムあふれる美しさは、日本人の想像を遥かに超えています。

 南の果て南アは民族の十字路です。先住民族のコイ・サン人が暮らしていた土地に、東部アフリカからズールー人などバンツー系の黒人が南下し、その後、17世紀に入り、大西洋側の喜望峰からは白人の入植が始まりました。インド洋からはインド人とアジア人が、さらにサハラ砂漠や紅海を越えてアラブ人が流入し築いた多民族、多文化国家です。11の公用語を有し、言語、文化、音楽など芸術に至るまで、多様なエネルギーにあふれています。

 また、世界一の格差社会でもあり、アパルトヘイト時代の負の遺産を抱えた人々の生活を激しく美しい自然が包み込んでおり、光と影、生と死が強烈な色彩を放っています。このところ、TVなどで懐かしい南アの風景に触れるたびに、この国で暮らしたかけがえのない日々が思い出され、胸が熱くなります。
posted by noriko-motooka at 00:00| コラム