2014年07月20日

遣独潜水艦 フランス Uボート(ドイツ潜水艦)基地

今、太平洋戦争、潜水艦に関わる取材を進めています。

ここしばらくは、フランスに滞在し、ドイツ占領下のフランスのUボート基地のあったブルターニュ地方のロリアン、ブレスト(現在も仏海軍の軍港です)、上陸作戦(1944年6月6日に連合軍によって行われたナチス・ドイツ占領下の北西ヨーロッパへの侵攻作戦)のあったノルマンディー地方のオマハ・ビーチ、ゴールド・ビーチなど海岸地帯を取材していました。

戦時下、ドイツとの連絡を担う手段は潜水艦しかなく、日本から5隻の潜水艦が派遣されました。

海の難所、アフリカ大陸の果て、喜望峰を迂回し「吠える南緯40度」ロアリング・フォーティーズを越え、苦難の旅の末にたどり着いたのが、軍港ロリアンとブレストでした。
しかし、日本に戻ってきた潜水艦はわずか一隻。その伊8潜も沖縄戦で凄絶な最期を遂げました。

ロリアンのブンカー(Bunker・潜水艦を護る巨大なコンクリートの防空施設)は70年の時を超え、今も当時のままの姿で残っていました。

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ロリアン・Uボートブンカー



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海水を湛えたブンカー内部



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ブンカ−敷地内の仏軍展示潜水艦



ロリアン軍港は戦後、仏海軍の潜水艦基地となり、ブンカ―もそのまま使われましたが、冷戦の終結と共に基地はブレストに移り、今は洒落たヨットハーバーへと変遷を遂げています。

林立するマストが風に揺れる音、カモメの鳴き声だけが響く岸壁。空は海を抱いて眩しく碧く、遥かな人々の歴史を包み込んでいました。

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ヨーロッパ最西端 地の果て ラ岬

posted by noriko-motooka at 00:00| コラム